ロードバイクにただ乗るのも楽しいですが、「今日は頑張って走ったけど、何キロカロリー消費できたかな?」とか、「あのときすごいスピードが出てたけど、時速何キロまで出てたんだろう?」などが分かればもっと楽しいですよね。
そんな情報を知ることができるのがサイクルコンピューター(サイコン)です。
でも初心者の方はサイコンで何ができるのか、どれが自分に適したモデルなのかがわかりにくいかもしれません。
そこでサイコンがあればどんな項目が計測できるのか、何を基準にサイコンを選べば良いのかを詳しく解説します。
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サイクルコンピューター(サイコン)って何?
自転車雑誌「FUNRIDE」が行った「何を目的に走っていますか?」というアンケートでは以下の結果が得られています。
1位 自転車に乗っていること自体が楽しい 126人
2位 シェイプアップのため 91人
3位 速くなるため、強くなるため 84人
4位 達成感を得るため 80人
5位 美しい景色を見る 58人
6位 仲間と一緒に楽しむ 55人
7位 おいしいご飯を食べるため 45人
8位 移動手段 24人
例えば「シェイプアップのため」ならば、自分がどれくらいカロリーを消費できたかは大きな目安になるでしょう。
「速くなるため、強くなるため」なら、自分がどれだけのスピードで走っているかを知る必要があります。
「今日は100km以上走れた」、「3時間以上走れた」といった数値がわかれば「達成感」も得やすくなるでしょう。
サイクルコンピューター(サイコン)は自転車のスピードや走行距離、走行時間や心拍数など、様々なデータをリアルタイムで測定、表示できる機器です。自転車に取り付けて常に表示しておくことができるので、走りながらでも素早くデータを確認できます。
サイコンのバッテリーは10数時間~数ヶ月も持つものが多く、長時間のライドでも使うことができます。
スマートフォンのアプリでもGPS機能を使って速度やナビ、走行履歴などを確認できるものもありますが、画面をずっと表示しているとバッテリーを大量に消費するため、長時間のライドには向きません。
またスマートフォンをロードバイクに取り付けていると、転倒によりスマートフォンを破損してしまう恐れがあります。更にケイデンスや心拍数を測定するセンサーはスマホと接続できないものも多いです。
そこでスピードや距離などを常時表示しておける専用の端末であるサイコンが役に立つというわけです。
サイコンの種類と主な測定項目
サイコンには大きく分けて以下のモデルがあります。
- 速度・走行距離が測定できる低価格帯モデル
- ケイデンス・心拍数が計測できる中価格帯モデル
- GPS・ナビ機能が付いた高価格帯モデル
上記の項目以外にも、モデルによって様々な項目を測定・表示することができます。主な測定項目について解説します。
速度・走行距離
ロードバイクに乗る際に一番測定したい項目は速度、走行距離、走行時間ではないでしょうか。
速度が分かれば、自分が一体何キロまで出すことができるのか、どれくらいの速度なら息切れせずに走れるのか、といったことが分かります。また走行距離が分かれば、あとどれくらいで目的地に着くかの目安になるので便利です。
速度・走行距離は基本項目なので、全てのモデルでこれらを計測できるようになっています。
ケイデンス
ケイデンスは1分間にペダルが何回転したかを表す数値です。
諸説ありますが、ケイデンス 90rpm前後でペダルを回すのが最も効率よくロードバイクを走らせることができると言われています。
90rpmというと、シティサイクル(ママチャリ)で普通に走るときよりは速い回転数です。ですが特に初心者の方は、どれくらいがケイデンス 90rpmなのかわからないですよね?ケイデンスを測定・表示できるサイコンとセンサーがあれば、その数値を見ながら走ることができるのです。
ケイデンスを測定するためにはサイコン本体に加え、車体に取り付けるセンサーが必要です。サイコン本体とセンサーがセットになったモデルや、センサーだけを別売りで購入するモデルがあります。
心拍数
心拍数は1分間に何回心臓が拍動するかを示す数値です。この数値を見ることで、今自分がどれくらいの負荷で走っているかが概ね分かります。
例えば、今心拍数 130bpmだからこのペースでずっと走り続けられそうとか、今心拍数が190bpmだからあと30秒くらいで息切れしそう、といった具合に、走るペースの目安になります。
また心拍数を計測することで消費カロリーを計算できます。心拍数には効率良く脂肪を燃焼できる範囲が存在します。心拍数が低すぎるとあまり脂肪が燃えませんし、逆に高すぎると無酸素運動になってしまい、エネルギーとしてあまり脂肪が使われなくなります。つまり効率的に脂肪を燃やすためには心拍数を計測したほうが良いのです。
ケイデンスセンサーと同じく、心拍センサーもサイコン本体とセットになったモデルと、センサーだけを別売りで購入するモデルがあります。
位置情報(GPS)、地図
GPSが付いたモデルだと、走行したコースを記録することができ、後でどんなコースをどのくらいのペースで走ったかなどを確認することができます。また現在地が標高何mなのか、今登っている坂が勾配何%なのかといったこともわかります。
地図が表示できるモデルだと、今自分がどこにいるのか、どの交差点を曲がれば良いのか、といったことが分かるので便利です。更にナビ機能もあれば、知らない場所でもたどり着くことができます。
自分で作成したコースをサイコンに読み込んでナビさせることもできます。単に目的地を設定しただけでは車通りの多い幹線道路や、自転車で走ることができない高架道路などを案内されることもあります。
またロードバイクは車と異なり、ただ目的地に到着することではなく、走ることそのものが目的であることが多いです。そんな時、自分で好きなコースをナビさせることができたほうが嬉しいですね。
目的別オススメ機能
通勤・通学用
単に通勤・通学に使用するだけなら時刻表示とスピード、走行距離を計測できる低価格帯モデルで充分でしょう。帰りは夜になることもあるでしょうから、バックライトが付けられるモデルだと夜間も数値を見ることができるためオススメです。
また積算走行距離を見ておけば、タイヤやチェーン、ワイヤー類の交換時期の目安になります。
通勤・通学だとロードバイクを離れる時間が長くなるので、降りた後はサイコンを外すのを忘れずに。
ダイエット用
ダイエット目的でロードバイクに乗るなら、消費カロリーを算出できるモデルがモチベーション維持に繋がります。そのため心拍数を計測できるモデルがオススメです。
心拍数を測るためにはサイコン本体とは別に、心拍計が必要です。
心拍計は胸にベルトを巻いて測るもの、腕時計型のものなどがあります。胸ベルトのほうが正確な値を計測することができますが、一度水で濡らさないと測定できなかったり、ウェアを全て着た後に付け忘れに気づくと、またウェアを脱ぎ直さないといけなかったりします。
腕時計タイプのほうが腕に巻くだけなので簡単に計測できます。
ツーリング・ロングライド用
ツーリングやロングライド目的でロードバイクに乗るなら、GPSやナビ機能がついたモデルがオススメです。
誰か案内してくれる人と一緒に出かけたり、既に知っている場所に行くなら大丈夫ですが、一人で初めての場所に出かけることもあるでしょうから、GPSが付いているほうが安心です。
またGPSが付いたモデルだと走行履歴を後で地図上で確認することができるので、あの時キレイな景色が見えたのはこの場所だったのかとか、あの峠はキツかったけど、平均勾配はどれくらいだったんだろう、といったことも振り返ることができます。
またこうしたGPS付きのモデルの多くは各社サイコンメーカーのポータルサイトに記録を残しておくことができますので、あのツーリングに行ったのは何月何日だったっけ?とか、去年の積算走行距離は何kmだったんだろう?といったことも確認ができます。
レース用
レース用でもツーリング用と同じGPS付きのモデルがオススメです。
ただしレースの種類にもよりますが、ロードレースやクリテリウムなどスピードを競うレースだと、レース中にサイコンを見る余裕はなかなかありません。それでもGPSや心拍計などが付いたモデルがオススメなのは、後で反省の材料になるからです。
レース中に数値を見る余裕は無くても後で履歴を見たときに、ここでは無理に踏んで心拍が上がりすぎたからついて行けなくなったんだなとか、ここではケイデンスが低すぎるからもっとギアを落とせば良かったなとか、次のレースに活かすことができます。
オススメのモデル
数あるサイコンの中から、オススメ~つのモデルを紹介致します。
CATEYE / VELO WIRELESS + (CC-VT235W)
CATEYE(キャットアイ)はライトやサイコンなど、様々な自転車用品を製造しているメーカーです。
中でもCC-VT235Wは速度や距離を測定できるシンプルなモデルです。通勤・通学に使用するならこのモデルで十分でしょう。
バックライトも付いているので、帰宅時の暗い時などでも数値を確認することができます。
- 定価:5,500円(税別)
- 速度・距離 ○
- ケイデンス ✕
- 心拍数 ✕
- GPS ✕
- ナビ機能 ✕
- 地図 ✕
Garmin / Edge 130
ロードバイクに限らず、カーナビなどのGPS機器のメーカーであるGarmin(ガーミン)。
そのGarminのエントリーモデルのサイコンがEdge 130です。
Garminのサイコンの中では比較的安い価格ながら、心拍数やケイデンス、GPSなど、基本的な機能はほぼ揃っています。
画面は上位機種に比べると小さい1.8インチのモノクロディスプレイですが、最大8項目まで同時に表示することができ、多くの情報をひと目で確認することができます。
Garmin Connect等で作成したコースをサイコンに転送し、曲がり角などのサイコン上でナビゲーションさせることもできます。
地図が搭載されていないので、真っ白の画面上にルートが線で描かれるだけですが、意外とこれだけでも走れるものです。
- 定価(税別)本体のみ:23,800円、スピード・ケイデンスセンサーセット:29,800円
- 速度・距離 ○
- ケイデンス ○
- 心拍数 ○
- GPS ○
- ナビ機能 ○
- 地図 ✕
Bryton / Rider 410
Bryton(ブライトン)はGPSを搭載した電子機器を開発、生産する台湾の企業です。
数年前は高機能サイコンと言えばGarminでしたが、最近は様々なメーカーが高機能のサイコンを出してきています。
中でもBrytonは高機能でありながら値段もGarminに比べると手頃で、私の身の回りでもBrytonのサイコンを選ぶ人が増えてきました。
Rider 410はGPSが付いたミドルグレードのサイコンです。
Garminと比べて非常に安い価格ながら、ケイデンス、心拍、GPSに対応しています(心拍数を図りたい場合は別売りの心拍センサーが必要です)。
また画面はモノクロ2.3インチで、最大8項目を表示することができます。表示項目や位置を自分の好きなようにカスタマイズすることもできます。ただし地図やルート表示、ナビ機能は付いていません。
最初は本体のみを購入し、後からケイデンスや心拍センサーを買い足すことも可能です。コストパフォーマンスに優れたサイコンが欲しいなら、Rider 410はオススメです。
- 定価(税別) 本体のみ(410E):11,800円、ケイデンスセンサーキット(410C):14,300円
- 速度・距離 ○
- ケイデンス ○
- 心拍数 ○
- GPS ○
- ナビ機能 ✕
- 地図 ✕
Bryton / Rider 450
Rider 450はBrytonの上位グレードのモデルです。ケイデンス、心拍、GPS対応に加え、地図やルートナビ機能を備えています。
Rider 410と同じく2.3インチのモノクロディスプレイを搭載していますが、最大10項目を表示することができます。
トレーニングの基本性能を持ちつつ、目的地までのルートを見ながら走りたいといったように、遠出を重視したい方はRider 450はオススメです。
- 定価(税別) 本体のみ(450E):22,000円、トリプルセンサーキット(450C):31,000円
- 速度・距離 ○
- ケイデンス ○
- 心拍数 ○
- GPS ○
- ナビ機能 ○
- 地図 ○
Garmin / Edge 530
サイコンと言えばGarminが定番ですが、そのGarminの最も定番なのがEdge 500シリーズ。その最新モデルがこちらのEdge 530です。
ケイデンス、心拍数、GPS、地図、ナビ機能など、一通りの基本性能は全て搭載しています。
また2.6インチのカラーディスプレイを搭載し、最大10項目を同時に表示することができます。
スマホとペアリングしておけば、電話の着信通知やLINEのメッセージを読むこともできます。メッセージの着信がある度にいちいちポケットからスマホを取り出す必要も有りません。
地図 旺文社の地図が採用されており、地図も非常に見やすくなっています。
ライド終了後もスマホを介して自動でGarmin ConnectやStravaなどのログ管理アプリにアップロードしてくれます。
ダイエット用、ツーリング・ロングライド用、レース用と何にでも対応できる万能モデルです。
- 定価(税別) 本体のみ:37,800円、スピード・ケイデンスセンサーセット:47,800円
- 速度・距離 ○
- ケイデンス ○
- 心拍数 ○
- GPS ○
- ナビ機能 ○
- 地図 ○
私の購入履歴とその理由
私はこれまでいくつかのサイコンを購入してきました。
まず初めに購入したのがCATEYEのCC-RD300Wという、速度と距離だけを計測できるシンプルなモデル。クロスバイクで通勤する際に、パッと時刻を確認したかったのと、1ヶ月どれくらいの距離を走るか知りたかったのでこのタイプを選びました。
ですが元々はダイエットも兼ねて自転車通勤にしたので、モチベーションの維持も込めて消費カロリーを計測できるモデルが欲しくなり、SIGMAのBC1909HRというモデルを購入しました。
その後、ロードバイクに乗り換えてからもBC1909HRを使っていたのですが、ロングライドをするようになり、峠の高度や勾配を表示したり、GPS機能で走行ログを振り返りたいと思うようになり、GarminのEdge 510Jというモデルを購入。
更にブルベに出るようになったことと、510Jの調子が悪くなってきたこともあり、現在のEdge 520J(先に紹介したEdge 530の1つ前のモデル)を購入しました。
このようにいくつものモデルを購入してきたのですが、これなら最初からEdge 500シリーズを購入しておけば良かったなぁと思っています。これさえあれば下位モデルにある機能は全て使えますから。
ロードバイクを長く続けるだろうと思うのであれば、最初からGPSなどを計測できる上位モデルを購入するものアリだと思います。
まとめ
今回はサイコンで何ができるのか、どんな基準でサイコンを選べば良いのか、そしてオススメの機種を紹介しました。
様々なモデルがありますが、サイコンがあるだけでロードバイクライフを更に楽しく充実したものにしてくれるのは間違いありません。
ロードバイクに乗るなら、ぜひサイコンを付けることをオススメします。