こんにちは。理系投資家のおってぃです。
仕事のため、あるいは自分のマネーリテラシー向上のため、FP2級試験を受験しようと思っている方は多いと思います。
でも、どんな方法で勉強すればいいの?何を使えばいいの?と悩まれている方も多いのではないでしょうか?
FP試験の勉強方法は、紙の教科書や問題集を読んだり解いたりするのが一般的です。ですが私は通勤電車の中で勉強することが多かったため、この方法だと荷物が重くて嵩張り、メモも取りにくいのがイヤでした。そこでもっとコンパクトに持ち運べ、いつでもどこでも勉強するために、電子書籍を入れたiPadを使っていました。
FP2級試験は高い有料セミナーに通わなくても独学だけで合格できます。私は約70時間、iPadやパソコンなどを使って勉強しました。
その結果、独学だけで80%以上の正答率を達成し、FP2級に合格することができました。
今回は私が行った、デジタルツールを使ったFP2級試験の勉強方法をご紹介します。
- 独学でFP2級を取得できるか知りたい人
- 独学でFP2級を合格するための勉強方法や勉強時間を知りたい人
- 紙の書籍を使わず、iPadやノートパソコンだけで勉強する方法を知りたい人
Contents
FP2級の合格率
FP2級ドットコムによれば、FP協会で受験した場合、学科の合格率は30~50%、実技の合格率は45~65%となっています。
FP2級を受験するためにはFP3級を合格するか、FP業務の2年以上の実務経験を有する、などの条件があります。その条件を満たした人の合格率なので、難易度は結構高いと言えるでしょう。
合格に必要な勉強時間
オンライン講座のスタディングによれば、FP2級試験の合格に必要な勉強時間は一般的には150〜300時間必要だとされています。
平均で1日1時間勉強できるなら150〜300日(5〜10ヶ月)、2時間勉強できるなら75〜150日(2.5〜3ヶ月)かかる計算になります。
なお私がFP試験の勉強にあてた時間は約70時間です。試験日は1月26日で、11月末から勉強を始めましたが、本格的に勉強し始めたのは12月末から。朝早起きして1時間、通勤時間の往復で1時間を勉強に充てていました。
2020年1月に受験をしたため合否はまだ出ていませんが、自己採点では学科、実技共に80%以上の正答率となりましたので、合格の見込みです。
- 学科試験 49/60(正答率 81.7%)
- 実技試験 60/73(正答率 82.2%)
FP2級に試験に合格するのは独学でも可能
私は後述する方法での勉強以外に、セミナーも通信教育も受けていません。FP2級は教科書と過去問をしっかり勉強すれば、独学でも十分に合格可能です。
私が使った教材やデジタルツール
私がFP2級試験の勉強に使った主なツールは以下のとおりです。
- [教科書] うかる!FP2級・AFP王道テキスト 2019-2020年版(Kindle版)
- [問題集] FP2級ドットコム(ウェブサイト)
- [学習動画]おーちゃん【1級FP技能士】TV (Youtube)
- [勉強ツール] iPad、パソコン
- [メモアプリ] OneNote
- [勉強時間記録アプリ] Study Plus
それぞれのメリットや特徴を詳しく解説していきます。
[教科書] うかる!FP2級・AFP王道テキスト 2019-2020年版(Kindle版)
FP2級の教科書は数多く出版されていますが、電子書籍版が出版されているものはこれしかありません。Kindle版、楽天Kobo版などがあります。
464ページもあり、紙ならかなり重いですが、電子書籍なら重量は”ゼロ”ですので、iPad以外に重量が増えることはありません。
この教科書は欄外に「ココが出る」として重要項目がピックアップされており、どこを覚えれば良いかわかりやすいです。また各章の終わりに確認問題がついており、要点を覚えたかどうかすぐに確認できます。
一方、この電子書籍は固定レイアウトになっており、文字の大きさの変更やハイライト、検索と言った、デジタルならではの機能はあまり使えません。
ちなみにこの教科書に限らず、教科書を買うときは必ず最新版を購入してください。旧版は最新の法改正に対応しておらず、過去に正しかった情報が変わっていることもあります。
[問題集] FP2級ドットコム/過去問道場(ウェブサイト)
私は過去問を解くのに問題集は購入していません。FP2級ドットコムの過去問道場を利用して過去問をひたすら解いていました。
過去問道場のメリット
FP2級ドットコムを実際に利用して、紙の問題集には無い便利な機能だと思った点は以下のとおりです。
- 問題を解いた後にすぐに解説が読める
- 自分の成績が分析できる
- 特定の分野や間違った問題に絞って出題できる
- 法令改正で古くなった問題を除外できる
- 全ての機能が無料で利用できる
問題を解いた後すぐに解説が読める
FP2級ドットコムは学科試験は2013~2020年の過去8年分、全1380問、実技試験は2016~2020年の過去5年分、全910問が収録されています。そしてほとんどの問題に解説がついています。
問題を1問解くごとにすぐに正解不正解がわかり、その直後に解説が表示されます。別冊の解説書を読んだりせずに済むのは便利でした。
過去問を解く際は単に正解、不正解を確認するだけではなく、解説までしっかり読むことが重要です。そうすることで似たような問題が出た時も答えられるようになります。
自分の成績が分析できる
紙の問題集ではわざわざ自分で集計しない限り、正答率が何%かはわかりません。しかし過去問道場はユーザー登録をすれば上の画像のように、自分が今までに何問解いたか、正答率は何%か、苦手な分野は何か、といったように、自分の成績を分析することができます。
昨日、過去1週間といったように期間を区切った正答率を出すこともできますので、自分がどれくらい成績が上がってきているかを見ることもできます。
各分野ごとの正答率もわかりますので、自分の苦手な分野はどこかを把握することもできます。
FP2級は学科、実技共に正答率60%以上で合格なので、この60%を達成できるかどうかが1つの目標になるでしょう。
特定の分野や間違った問題に絞って出題できる
FP2級試験は以下の6つの分野から出題されます。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
過去問道場では特定の分野や自分が間違った問題だけを出題させることができます。こうすることで自分の苦手な分野や問題だけを集中的に解けるので、効率よく弱点を克服することができます。
法令改正で古くなった問題を除外できる
FP試験に出題される制度は法令改正によって変更されることがあります。過去には正解だったことが間違いになることもあるわけです。こうした問題が含まれていると余計な混乱を招くことになりかねません。
過去問道場では法令改正で古くなった問題を除外できるので、今は正しくない数値や制度を覚えてしまう心配もありません。
全ての機能が無料で利用できる
過去問道場では紙の問題集にはない充実した機能を備えていますが、全ての機能を無料で利用することができます。これだけのメリットがあれば、紙の問題集は必要ないですね。
過去問道場のデメリット
このように紙にはない様々な特徴を持ったFP2級ドットコムの過去問道場ですが、唯一の難点としては通信環境がないと使えないということです。とは言えWi-Fi版のiPadやAndroidタブレットを使っていてもスマホのテザリング機能を使えば通信できますし、Wi-Fiが使えるカフェなども多いので、それほど困ることは無いでしょう。
[学習動画]おーちゃん【1級FP技能士】TV(Youtube)
単に教科書を読むだけよりも、解説動画を見ることでより理解が深まります。
Youtubeの「おーちゃん【1級FP技能士】TV」のチャンネルでは、1級FPのおーちゃんさんが数多くのFP試験の解説動画を出されています。
私はなかなか覚えられない部分はこうした解説動画を見ることで頭に入りやすくなりました。
特に試験直前対策の動画は要点がまとめられており、試験直前で効率よく復習するのに役に立ちました。実際にこの動画の中から出題された問題もいくつかありました。
[勉強ツール] iPad、パソコン
上記の電子書籍や過去問道場を利用するには、タブレットやパソコンが必要です。スマホでも使えなくはないですが、画面が小さすぎて電子書籍や過去問を読むには不便です。
ちなみに私はタブレットとしてiPad Airを使っていますが、無印iPadやAndroidタブレット、ノートパソコンでも全く問題はありません。
FP2級に限らず、iPadを使った勉強方法についてはこちらの記事にまとめています。
通勤、通学電車の中やカフェなど外にいるときはiPadやノートPCを使い、自宅にいるときは画面の大きなパソコンを使う、といったように環境やツールを選ばずに使えるのが電子書籍やWebのメリットですね。
またiPadは勉強以外にも様々な用途に使えます。かばんにとりあえずiPadやノートPCを入れておけば、スキマ時間ができたときにサッと取り出して勉強できますし、「今日は教科書や問題集を持ってきてなかった・・・」と後悔することもありません。
ちなみにiPadの場合、学科の問題では特に不便は感じませんでしたが、実技で問題文が長いときはiPadでも画面が狭くて全体を見渡しにくかったです。こういった長文問題のときは、画面が広い自宅のパソコンを使ったほうが勉強しやすかったです。
[メモアプリ] OneNote
iPadやパソコンで教科書や過去問解説のメモを取ったり、計算を行うのにはOneNoteを使いました。
OneNoteはパソコン版、iOS版、Android版がありますので環境を選びません。また同期機能があるので、iPadで取ったメモの続きをパソコンで取ることも簡単です。
FP2級試験の勉強にOnenoteを使ったのは数式の自動計算機能のためです。
Onenoteでは数式を入力すると自動で答えを表示してくれるため、複雑な数式であっても、電卓を使うよりも素早く計算ができます。
例えば債券の利回りを計算する問題では以下のような数式を計算する必要があります。
(1.2+(101.5-99.5)÷5)÷99.5×100=1.608
これを普通の電卓で計算するのは結構時間がかかります。しかしOneNoteの場合はイコール(=)までを入力し、最後にスペースを入力すれば、パッと答えを計算してくれます。
そして計算式の記録を残すことができるので、後で計算のどこが間違っていたかを確認することができます。
これらの機能があるため、私は計算には電卓ではなくあえてOneNoteを使っていました。
もちろん本番ではOneNoteは使えませんので、試験直前には電卓を使う練習もしたほうが良いですけどね。
ただしOneNoteで答えが割り切れない計算をすると、勝手に桁数が切られてしまうので注意が必要です。例えば小数点以下3桁で答えなさいという問題なのに、2桁までしか表示してくれないことがあります。
まぁ試験本番では電卓を使って計算しますので、このような間違いをする心配はありませんが。
[勉強時間記録アプリ] Study Plus
ただただ教科書を読んだり過去問を解き続けるのは大変。そこでどれくらい勉強したかの記録を残しておけば達成感が湧き、モチベーション維持に繋がります。
私は平日は仕事があり、通勤時間など細切れ時間で勉強することが多かったため、トータルで何時間勉強したのかを把握することが困難でした。そこで勉強時間を記録するアプリ「Study Plus」を使いました。
Study Plusはパソコン版、iOS版、Android版があるため、環境に左右されず勉強時間が記録できます。また教材の登録もできるため、教科書、過去問どちらに何時間かけたかも分けて記録することができます。
一概に何時間勉強すれば合格できるというものではありませんが、勉強時間の把握は一つの目安になるでしょう。
私の勉強方法
私が行ったFP2級の勉強の流れは以下の通りです。
- 教科書をざっと読む(所要時間 約20時間)
- 過去問を解く(所要時間 約50時間)
- 法改正点、新制度を確認する(所要時間 約1時間)
これらの手順について、詳しく解説していきます。
教科書をざっと読む(所要時間 約20時間)
まずは1分野ずつ教科書を読んでいきます。ここで重要なのは教科書のどこに何が書いてあったかを思い出せるようにすることなので、あまり細かいことは覚えず、ざっと読んでしまいましょう。後で過去問を解いてみて、覚えてないなと思ったら教科書に戻って読み直せば良いのです。教科書を読むよりも過去問を解くのに時間をかけましょう。
教科書を1分野ざっと読み終えたら、その分野の過去問を軽く何問か解いてみましょう。覚えたことをすぐに復習することで、記憶に残りやすくなります。
最初のうちは問題文が何を言ってるかすらわからないこともあると思いますが、あまり気にせず、「こんな問題が出るんだな」ということを把握できればOKです。
教科書を1分野読む → その分野の過去問を解く → 次の分野を読む → その分野の過去問を解く →・・・・
というステップを最後の分野まで繰り返していきましょう。
過去問を解く(所要時間 約50時間)
教科書を一通り読んだら、今度はしっかりと過去問を解いていきましょう。私は以下のように過去問を解いていきました。
1〜6章の過去問を順に30問ずつ解く
教科書を一通り読んで過去問も20問ずつ解いたら、今度は1分野ごとに30問ずつ過去問を解いていきましょう。過去問を解いたあとは○×を確認するだけでなく、解説もしっかり読んで理解しましょう。FP2級試験では過去に何度も似たような問題が出ているため、内容を理解しておけば表現が変わっただけの問題にも対処できるようになります。
同じ分野を連続して解くと似たような問題が何度も出てくるため、記憶に残りやすくなります。
FP2級の勉強で一番重要なのはとにかく過去問を解くことだと思います。
ちなみに学科試験では6分野のうち、各1分野から10問ずつ均等に出題されます。そのため、時間がないからと言って特定の分野だけヤマを張っても意味がありません。
自分の成績が低い章を集中的に解く
ひと通りの分野の過去問を解いたら、自分の成績を確認してみましょう。その中で成績が低い分野や正答率が60%を下回っている分野があるときは、その分野の過去問を集中的に解きましょう。場合によっては教科書のその章を読み直すことで更に理解が深まるでしょう。
実技の過去問を解く
ある程度学科が解けたら、次は実技の過去問を解いていきましょう。こちらも習うより慣れろです。とにかく数をこなすことで問題に慣れていきましょう。
学科、実技の全分野をランダムに解く
学科と実技の過去問をある程度解いたら、後は出題形式をランダムにして、ひたすら過去問を解いていきましょう。
法改正点、新制度を確認する
試験日が近づいてきたら、最新の法改正点もチェックしておきましょう。最新の法改正に関する問題はいくら過去問をやっても出てこないからです。
しかも最新の法改正に関する問題は数問はほぼ必ず出題されます。教科書は最新のものを購入したほうが良い理由はコレですね。
「うかる!FP2級・AFP王道テキスト 2019-2020年版」にも巻末に主な法改正・新制度がまとめられています。
また、「おーちゃん【1級FP技能士】TV」でも法改正点を解説した動画が上げられています。
これらをしっかり確認して、試験に備えましょう。
勉強や受験を通じて感じたこと
社会人になると勉強する機会は減ることが多いです。
総務省統計局の「平成28年社会生活基本調査」によると、社会人の自己学習時間は1日あたり平均でたったの「6分間」だったそうです。
こうした状況の中、試験前の1, 2ヶ月だったとは言え、一日1~2時間の勉強をする継続して行うことができたのは自分の自信にも繋がりました。
FPの勉強は一旦終了ですが、今後もマネーリテラシー向上のため、読書やネットを通じた情報収集は続けていきたいと思っています。
まとめ
今回ご紹介したデジタルツールを使えば、隙間時間を使っていつでもどこでもFP2級試験の勉強ができます。そして紙の問題集は購入する必要はありません。
またFP2級は有料セミナーなどに通わなくても独学で十分合格できます。
合格のためにはとにかく過去問を多く解きましょう。それが何より合格のための近道だと思います。
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