以前の記事では楽天モバイルの基地局の基本的な探し方についてご紹介しました。
基地局を探すのは宝探しみたいで楽しい!と思った方も多いでしょう。
そして「どうせなら基地局を全部見つけ出したい!」と思った方もいるのではないでしょうか。
しかし、ただ車や自転車などで走り回るだけでは全ての基地局を見つけ出すことはできません。まだ見つけていない基地局が何局あるのか、どのあたりにあるのかなどを推測する必要があります。
私はこれまで300箇所以上の基地局を発見し、基地局の見つけ方についてノウハウが分かってきました。
この記事では前回の記事よりも突っ込んで、まだ発見していない基地局をうまく見つける方法や、開局済の基地局を全て発見する方法についてご紹介致します。
また基地局の発見に役立つ、受信情報から基地局の種類を判別する方法なども合わせて紹介します。
- 未発見の楽天モバイルの基地局を探している人
- 各市区町村にいくつの基地局があるか知りたい人
- 全ての基地局を発見したい人
- 受信情報(eNB IDなど)から基地局の種類を判別する方法を知りたい人
Contents
未発見の基地局を発見する方法
自分がまだ発見していない基地局を発見する方法するための方法について、いくつかご紹介致します。
基地局マッピングサービス
まずは基地局マッピングサービスに自分が発見していない基地局がないか確認してみましょう。代表的なマッピングサービスとしては「Cellmapper」と「楽天モバイル基地局マップ(MLS)」があります。
Cellmapper
Cellmapperの基本的な使い方については前回の記事で説明していますのでそちらを御覧ください。
Cellmapperのページやアプリ上に自分が知らない基地局が載っている場合は、その周辺を探すことで基地局を発見できます。
楽天モバイル基地局マップ(MLS)
ブラウザのFirefoxやメールソフトのThunderbirdなどで有名なMozillaが行っているサービスとしてMLS(Mozilla Location Service)というものがあります。MLSは携帯基地局の電波やWiFiを用いて、携帯電話などのデバイスの位置を特定するサービスです。
このサービスを利用し、各基地局のセル(アンテナと送受信できる範囲)を可視化したものが、楽天モバイル基地局マップ(MLS)です。楽天電測【非公式】アプリを開発された小平さんが作成されたサービスです。
楽天モバイルは一般的に1つの基地局に3つのアンテナがある(3つのセルがある)ため、3セルの各中心点が描く三角形の中を探せば基地局が見つけられる可能性が高いということです。
詳しい使い方や、基地局のセルの概念は下記のページで解説されています。
なお楽天モバイル基地局マップ(MLS)には作成したGoogleマイマップを取り込むことができる機能が付いています。これを利用すれば、取りこぼしの基地局を見つけやすくなります。
Tower Collector
上記のMLSへデータを提供する方法はいくつかありますが、「Tower Collector」というアプリを使用するのが良いでしょう。スマホでこのアプリを起動しバックグラウンドで動作させておくだけで、勝手にデータを収集してくれます。
Tower Collectorの導入方法については楽天徳島 基地局マップ ももみんみさんが詳しくまとめられています。
新規開局した基地局を探す方法です。
今回はTowerCollectorのインストール方法をメインに解説しています。各アプリのリンク↓
Tower Collectorhttps://t.co/rS7bu5j8RA
楽天電測【非公式】アプリhttps://t.co/GiD7z8mDcQ
セルセンターマップ(MLS)https://t.co/hrCxqQdbEV#楽天モバイル #基地局 pic.twitter.com/q1zHiU4c7l— 楽天徳島 基地局マップ😺ももみんみ (@momo_minmi_mobi) April 17, 2021
ちなみにCellmapperとTower Collectorで収集されるデータは別物です。どちらにもデータを提供する場合は、両方のアプリを起動しておきましょう。
楽天モバイル公式エリアマップ
Cellmapperも楽天モバイル基地局マップ(MLS)も、誰かが収集した基地局情報を表示するサービスです。誰も発見していない基地局は自分で探し出す必要があります。
まずは楽天モバイル公式のエリアマップを確認しましょう。楽天のエリアになっているのにその周辺に基地局が見つかっていない場合、そのエリア内、もしくはその周辺に基地局がある可能性が高いです。
なお拡大予定エリアとなっている場所でも、既に基地局が開局している場合もあります。
楽天モバイル – 自社回線エリア更新履歴(エリアマップの差分から探す)
楽天モバイル公式のエリアマップは1ヶ月前後で更新されます。
楽天モバイル – 自社回線エリア更新履歴(マップ)を利用すれば、更新前後で拡大したエリアを確認することができます。
上図のように基準日と比較対象の年月日をそれぞれ選択すると、その間に拡大したエリアを茶色で表示してくれます。
拡大エリア内か周辺には新たに基地局が開設した可能性が高いです。
無線局免許状等情報(総務省 電波利用ホームページ)
総務省の電波利用ホームページの「無線局免許状等情報」(以下、免状)で、各市町村ごとの登録基地局数を確認することができます。
無線局免許状等情報(近畿総合通信局管内、大阪府の部分)
この免状数と発見済の基地局数を比較すれば、未発見の基地局の有無が予測できます。
各地域の通常局の免状情報は下記の通りです。
北海道、東北、関東、信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄
無線局免許状等情報で下記のように入力しても検索できます。
未発見の基地局を探す上で役立つ知識
基地局の種類と免状の関係
基地局の免状数と発見数を比較するためには、どの基地局がどの免状に登録されるかを知る必要があります。
あくまで推定ですが、コンクリート柱型、屋上型、ピコセル、屋内局(高出力)は通常局、屋内局(低出力)、Rakuten-Casaはフェムトセルとして登録されているようです。
- 通常局:マクロ局(コンクリート柱型、屋上型)、ピコセル、屋内局(高出力)
- フェムトセル:屋内局(低出力)、Rakuten-Casa
ややこしいのが屋内局です。屋内局には通常局で登録されるものとフェムトセルで登録されるものがあります。これに気づかず、発見した屋内局を全て通常局としてカウントしてしまうと免状数と合わなくなります。
しかしどちらも同じ機種のため、見た目では判別できません。ただ付与されるeNB IDの系統が異なるため、両者を区別することができます。
eNB IDと基地局の種類の関係については後述します。
ちなみにRakuten-Casaは個人宅に設置される場合がほとんどです。そのためフェムトセルを全て探し出すことはほぼ不可能です。
他に5G(Sub6)や5G(ミリ波)の免状もありますがここでは省略します。5Gの基地局はほとんどの場合4Gの基地局と併設されていますので、4Gの基地局を探せば5Gの基地局も自ずと見つかります。
開局と免状登録のタイミング
基地局が開局(正式に電波が発射された状態)する日と免状に登録される日は同日ではありません。開局が先行することもあれば免状が先行することもあるようです。
Twitterで何人かの方にヒアリングしたところ、開局が10日~2週間程度先行することが多いようです。
こちら開局日明確なやつは基本は開局が10日~2週間先行が多数派ですが、たまに免許が1ヶ月先行とかあるものの単に一瞬開局して死んだふりの可能性も否定できなくて真相は謎です。
— JS2HGW@楽天開局マップ(岐阜県) (@JS2HGW) September 8, 2021
今治市限定でサンプル少ないのですが
平均7.15日前
13件中
11が4
10が1
9が2最速で11なので
約2週間は先行して開局している気がします pic.twitter.com/FXIrepfs5C— IMABARI ZINE (@imabarizine) September 8, 2021
eNB IDと基地局の場所や種類の関係
各基地局にはeNB IDという識別番号が割り振られています。このeNB IDの番号付与には一定の法則があります。
まだ推定段階ですが、eNB IDを見れば基地局がある都道府県、種類などがわかるようになっています。
eNB IDと基地局の関係についてはJS2HGW@楽天開局マップ(岐阜県)さんがまとめられています。
ざっくりと説明すると、各都道府県でのeNB IDの開始番号は10進数で16,384ごと(16進数で4000ごと)になっています。
ただし県境付近では隣の県のeNB IDがそのまま使われていたり、離れた県で同じeNBが使われていたりと、一部例外もあります。
また各県のeNB IDの開始番号を基準に、屋内局(低出力)とRakuten-Casaは+5000番台、屋内局(高出力)は+10000あるいは+14000番台、ピコセルは+15000番台となっています。
ただし+10000番台と+14000番台の何が違うかについてはまだ判明していません。
大阪府については以下の通りとなっています。
表 大阪府のマクロ局、屋内局、Casa、ピコセルのeNB ID
基地局タイプ | eNB | 免状 |
マクロ局 | 442368~(+0) | 通常局 |
屋内局(低出力), Casa | 447368~(+5000) | フェムトセル |
屋内局(高出力) | 452368~(+10000 or 14000) | 通常局 |
ピコセル | 457368~(+15000) | 通常局 |
目視できない屋内局(小出力)とRakuten-Casaを識別する方法
屋内局(エンタープライズ)
Rakuten-Casa(楽天モバイル公式HPより引用)
屋内局(小出力)とRakuten-CasaはeNB IDの系統が同じ(+5000番台)です。また両方とも天井裏や店舗のバックヤードなどに隠して置かれている場合も多く、見た目で判断することが出来ないこともあります。
ただしRakuten-Casaの場合、Wi-FiのSSIDが「Rakuten-Casa-xxxxxx」となっています。一方、屋内局はそのようなSSIDを持っていません。そのため基地局が見えない場合、Wi-FiのSSIDを確認することで両者を識別することもできます。
私の基地局調査の現状
私が調査を行っている大阪南部の基地局発見状況は下記の通りです。
「未登録開局数」というのはCellmapperやMLSにも情報がなく、私自身も発見していない、完全に未発見の基地局数を表しています。
この数字が0なら未発見の基地局は無し、マイナスなら発見超過、プラスなら発見不足を示しています。
これまで紹介した方法で、多くの市区町村で基地局を全て発見しています。
ただ堺市の各区では未発見が多くなっています。これはピコセルや屋内局が多いためと推定しています。
ピコセルは数百メートルまで近づかないと受信できないため見つけるのが難しく、Cellmapperなどにも情報が上がりにくいのです。
屋内局も屋外では信号を拾えないため、発見の難易度が高くなっています。
ピコセルや屋内局設置の法則性がわかれば、もっと発見数が増えるのではないかと思っています。
この記事を作成した経緯
楽天モバイルの基地局探しを始めて間もない頃は、Cellmapperや基地局マップ(MLS)の情報をもとに基地局の場所の特定をしていました。その後、エリアマップなどを利用し誰も見つけていない基地局やまだ通信を行っていない未開局の基地局も発見するようになりました。
またTwitterなどで様々な情報を提供して頂き、基地局の探し方も上達してきました。
教えていただいた情報や私自身が行ってきた基地局の探し方を整理するために、この記事を作成しました。
まとめ
以前の記事から更に突っ込んで、楽天モバイルの未発見の基地局の探し方についてご紹介しました。
エリアマップや免状数を元に基地局の場所を推定したり、その場所で基地局を発見すると楽しいものです。
この記事を参考に、楽天モバイルの基地局探しを楽しんでくれる方が増えると嬉しいです。
楽天モバイルの基地局マップをマイマップで作成、管理する方法についてはこちらをご参照ください。